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#5 人と人との繋がりで愛を生む建築士


プロフィール

氏名 河野 健太郎(Kentaro Kono)
職業 建築士

Plus 代表

1980年生まれ。大分県国東市出身。
2007年から独立し「Plus」を設立。現在、大分市を中心に店舗内装や事務所、家のリフォーム、家具など建築に関する活動をトータルプランニングし、県内外を問わず幅広い地域で活躍される建築士。
クライアントも一緒に現場での作業を楽しみ、一緒に良い物を作りたいという信念を持つ。
大分にある数多くのショップや会社のオーナー等から絶大な支持を受けている人物。

河野さん、こんにちは!現場での作業中にインタビューを受けていただいてありがとうございます。宜しくお願いします。早速ですが、河野さんの「hassh.in」を教えて下さい!

宜しくお願いします。
ちょうど最近、面白い取り組みに参加してきたところなんですよ。
東北の宮城県気仙沼の徳仙丈山(トクセンジョウサン)にツリーハウス*を作りに行って来ました。

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*東北ツリーハウス観光協会が運営するプロジェクト。
その様子はこちらを御覧ください!『100のツリーハウス。 – ほぼ日刊イトイ新聞』

あれは今まで体験してきた中で、群を抜いて違う感じのお仕事でしたね。
作る工程はなんとなく想像ができるんですけど、「ゼロのものに対して、木があって、そこにイメージを作って、こういう風に建てる。」っていうお仕事なんですよ。いつもと少し違うんですよね。
僕のいつものお仕事は箱(店舗・事務所)があって、その中でお客様の「こういう感じの雰囲気が好き」っていうオーダーがあって、その中に「自分らしさをちょっとプラスする」っていう感じでやってます。
それが今回は全く違う感じで、正直戸惑いました。

「あの木につくろう!」が決まった後、「さぁ、どうやって建てよう?」という感じですか?

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そうですね。木をツリーハウスの中に通さないといけないんですよね。
だから、家の中に木が生えてる状態なんですけど、その木自体には釘とかビスを打ってはダメなんですよ。だからくっついて見えますが、実は離して作ってるんです。

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それってどうやって作るんですか!?

それがすごい難しかったんですよね・・。
下から支えてるので、その土台を基準に上に「箱」を作っていくっていう感じです。
元々地盤がそんなに強くない土地だったので、箱自体を重くも出来ないし、大変でしたね。
そんな感じで実は2週間で作り上げてきたんですよね。

ツリーハウスを2週間で完成ですか?!皆さんでですか?

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3人で東北まで作りに行って来ましたよー。
それで、まずは「基礎」を作る事から始まるんですけど、その「基礎」を作るっていうのが簡単にいかなくてですね。
木の周りに「ガボーっ」っとコンクリートを流しこむ訳にはいかないので、木の周りの足元だけを固めるっていう作業から始まったんですよ。
その時は雨が降り、雪まで降り出してきて、着いて早々に初雪が見れちゃいましたね。(笑)

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しかも山の上で、いつもと環境が全然違う中での作業だったので、結構キツかったですね。
自然の中なので気持ち良かったですけどね!

今思い返してみると、僕らの中での遠い思い出みたいですね。なにか夢を見ていたような感覚ですね。
普段お会いすることのない糸井重里さんが普通に見に来られたりするので、
今までとフィールドが違いすぎて、めちゃくちゃテンションが上りましたよ。
プライベートで気仙沼にいらっしゃってた樋口可南子さんにも見に来ていただけましたし。

ツリーハウスを作るのって、思ったよりも難しいんですね。

教えて頂いたんですが、木の中身自体は活動してないらしいんですよ。木の外側の樹皮が水を吸い上げてるんですよね。
だから、その樹皮を痛めると、そこから上に水を吸い上げなくなって、枯れていくんです。
小さな穴を空けて貫通させるのは良いんですが、その周りを剥いだりしてしまうと、そこからダメになってしまうんです。

そんな所にも気を付けて、作業しなきゃいけないとなると大変ですね。それでも2週間で出来たって凄いですよね。

しかも、2週間の間に自分で材料も調達しないといけなかったんですよ。
時には、廃校になった学校に行って、そこで古い学校でよく見かける木枠のガラス窓や水槽などをもらってきました。
ちなみに水槽は天窓に使用しました。

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人が住む住宅ではなく、「ツリーハウス」という事だったのですが、雨が入ってこない様に工夫して取り付けてみました。
普通は水槽を天窓に持ってくる工事なんてしないですし、「難しいだろうなぁ」と思ったのですが、そこを試行錯誤して仕上げる事が、楽しかったですね。

材料は、その廃校になった学校の物が中心なんですか?

小学校の廃材と、肝心な木材は現地で調達して作業しました。
木材屋さんが東北弁で早口なので半分くらいしか聞き取れなくて。(笑)コミュニケーションを取るのもちょっと大変でしたね。(笑)
めちゃくちゃ楽しくて、おそらくこんなに濃い2週間ってこの先ないだろうな。と思うぐらい楽しかったです。

——「100 のツリーハウス」での「1号」に挑戦。

これからツリーハウスを東北に100個作るっていうプロジェクトで、今回はその第1号で作りに行ったんですよね。
僕自身、本格的な「ツリーハウス」の制作に携わるのも初めてでしたし、どうやったら、誰かが見てくれて「いいな。」と思ってもらえるかっていうのを、一生懸命、自分達自身も楽しみながら作りました。
僕らの仕事が終わった後、糸井さんや皆さんが凄く喜んでくれていたので、僕らも嬉しかったですね。

——河野さんの「ツリーハウス」の原点。

実は、ツリーハウスを東北に建てよう。と言われる前から、地元大分にツリーハウスを作ろうとしてたんです。
もう3、4年くらい前になるんですが、作ろうとしてたら諸事情があり作れなくなってしまい、そのままずーっとストップしていました。
なので、僕の中で「ツリーハウスを建てる」事が夢だったんです。
そんな時に糸井さんに「東北でツリーハウスを建てよう。」とお話を頂いて。「絶対面白いですね。是非やりましょう!」という事で参加させてもらったのがキッカケだったんです。
元々、作りたい物の一つだったので、このタイミングでさせてもらってよかったと、心から感謝しています。

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クリエイティブですね!その、ツリーハウスへの想いもそうなんですが、河野さんがずっと想っているアツい信念を教えて頂けますか?

どんなお仕事もそうなんですが「お客様」がいて、「会社」があると思っています。
まず「お客様に満足してもらう。」っていうのが一番大事ですね。
人それぞれ色んな価値観があるので、時には上手くいかない時もあったりするんですが、いつもお客様に満足して貰う為にはどうすればいいのか?っていう事を常に考えてますね。

お仕事をしてて、楽しいことは何ですか?

「お客様に満足してもらえてる」っていう、その瞬間が解る時があるんですよ。
人によって何パターンかあるんですけど、現場で変わっていく所を見て、素直に褒めちぎってくれる人もいれば、後ろを向いたまま黙ってる人もいるんですよね。
そんなリアクションがない方でも、「あ、満足してくれてる!」とわかる瞬間があるんですよね!それがわかった時が相当楽しいですね!
そこが一番やりがいになってる部分だと思いますね。そこでしかテンションが上がらないです(笑)

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河野さんが突き進む際の原動力って何でしょう?

やっぱり、満足してくれた瞬間ですかね?そこが原動力に繋がってます。
お客様が満足してくれている姿を見られないと意味が無いですし、逆に見られないまま仕事を終えるのは、コッチ側としても満足出来ないですし。
その瞬間が見れる様に、僕達は仕事をしないといけないと思ってます。

やはりそこは、プロフェッショナルですね。職人肌というか、ポリシーが伝わってきます!最後に現在の目標や夢はありますか?

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目標は今の仕事を続けていくのが目標ですね。
毎回、いろんなお客様と仕事をしていく中で、違う物が出来るのですが、いつも同じ物は作りたくないなぁ。と考えています。
そして、いろんな人と仕事をしていくっていう事が、これからの目標でもありますし、僕の夢でもあります。まぁ、沢山の人と出会って仕事をしていきたいですね。

人との繋がりって大事ですよね。アツい想いをありがとうございます!
さて、お待ちかねです!田部さんから、質問を頂いてますので、回答をお願いします。

—Q.田部さん:「10年後どうなってます?約束のイタリア旅行は行けますか?」

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A.河野さん:え?フランスじゃなかったっけ?!(笑)旅行は確実に行けますね。っていうか行きますね!
10年後は何してるでしょう?同じ事をしてるでしょうし・・。
もし違う仕事をしていても、同じような事やってそうですね。(笑)
10年後って43歳かぁ・・。
そう考えると今は20代、30代の人達の店舗をメインに作ったりしているので、そこの質が変わっていくのかなと思いますね。
やっぱり経験が豊富になってくると、クオリティの高い物を提供していかないといけないと思うので、40代の僕達の質が上がってないと嘘ですよね。
各世代の方々に「いいな!」って思ってもらえる物を、歳を重ねても変わらず作っていきたいですね。

大分県内の多くのショップオーナーさんや、有名人の期待にこたえ、これからも人との出会いと、自分の「hassh.in」をさらに磨いていく河野 健太郎さんでした!

次のhassh.inは誰でしょう?

次回の「hassh.in」は、「東北に100 のツリーハウスを作る」というプロジェクトと河野さんを繋ぐきっかけを作ってくれた武藤さんです!

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*「ツリーハウス1号はモンスターズ・ユニバーシティーさんの協力でできているため、つなぎも特別仕様でした。」

Plus

住所 〒873-0221
大分県大分市国東市安岐町西本 847
Tel 090-1877-5789
Mail kentaro721@gmail.com
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