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#29 地域で愛されるお酒とお惣菜を。


プロフィール

氏名 是永宮仁子(Korenaga KUNIKO)
職業 お酒屋さんのおそうざい 〜コレコレ〜 Kore’s Collezion
経歴 大分県豊後高田市の新町で生まれ育つ。
大学をアメリカで過ごし卒業後は豊後高田 昭和の町 新町通り商店街に帰ってくる。
興味のあった料理の勉強を始めながら実家の酒屋を継ぐ。
イタリアンや和食を学んだ後、「お酒屋さんのおそうざい 〜コレコレ〜 Kore’s Collezion」を開業する。

是永さんはじめまして!本日はよろしくお願いします。
早速是永さんのhassh.inについてお聞きしてもいいですか?

 もともと私の家は豊後高田市で造り酒屋をしていたんです。父の代から販売だけになって私が継いで、この新町通り商店街でお店を開いて今に至ります。ただ父の代は少し前に流行った安売りのお酒屋さんだったのに対して、私は安売りせず県北のものにこだわった美味しいお酒を扱っています。この店にしか置いていないお酒もあるんですよ。それとお惣菜を作ってお酒と一緒に販売しています。だからお店の名前も「お酒屋さんのおそうざい 〜コレコレ〜 Kore’s Collezion」と付けました。

店内には美味しそうなお惣菜とお酒が並んでいます!!
酒屋さんをしながらお惣菜屋さんをすることになったきっかけとは何ですか?

 お惣菜を作ることになったそもそものきっかけは愛犬ですね。今年で14歳になる「うーちゃん」がお肉のアレルギー持ちだったんです。それで愛犬が食べれるものを作ってあげることで料理への興味が沸きました。その愛犬の好物が麺類だったのと家がカトリックだったのもあってイタリア料理を学ぶことにも繋がったんです。それから酒屋を継いで、一緒にイタリアンなカフェも開いたんですがこの豊後高田市でとなるとなかなか需要がないんです。現地の人に密着した料理となるとやはり和食ですね。年齢層も高いですから。それでレストランで働かせてもらったり料理教室を通して和食を勉強しました。
 香々地のフィオーレというカフェでも働いていたんですが、その時長崎鼻のイベントでお弁当を作ったんです。その「お弁当」という存在にヒントを得ました。和でも洋でもない、自由な料理を作るのがすごく楽しくて。そこから、高齢者の方や一人暮らしの方のことを考えたお惣菜作りをしようと思い立ったんです。今では米糀や酒粕を使ったお惣菜を販売しています。それとお酒を使ったお菓子にも挑戦しようと思っててmarujuの田中さんにお菓子作りを教えてもらっています。

愛犬がきっかけで大きく夢が広がったんですね!!
お客様とかなり密着したお店ですが、具体的にはどういったやりとりをされているんでしょうか?

 来てくれたお客さんの中には私より料理をしてきた主婦の方もいらっしゃいます。だから「これ作るときはこうしたほうがいいで」って言われることもあります。そういったときはその通りに作るんです。何でも言うことは聞きますよ(笑)。昔は「いや、そうじゃない」って抗っていた時期もあったんです。でも抗ってどうする…って思って。食べる人の口に合わないと買ってもらえないってことに気付いて素直に受け止めることが出来るようになりました。
 お酒を買いにきてくれる人にしても、やはりよく話しますね。お客様は今日どんな用事があってお酒を購入しに来たのかという部分を聞いて、「じゃあこれとかいいんやない?」って提案するんです。お惣菜は地元の人、お酒は観光客も地元の人も購入しに来てくれますがどちらのお客様とも本当によく話します。観光客や初対面の人でもまるで昔からの知り合いみたいに話すんです。

しっかりニーズを追求されてお惣菜やお酒を販売されているんですね。
是永さんがhassh.inされるうえで嬉しかったことってなんでしょうか?

 今では近所の人たちみんながお惣菜を買いに来てくれるんです。近所の方となると私が本当に小さい時から知っている方だから、その人たちから見て成長を感じてもらって褒められるのがとても嬉しいんですよね。「あんた何もできんかったんに」とか言われて(笑)。大学でアメリカに渡った以外はこの豊後高田市の新町で暮らしてきました。住み心地が良いというか、周りの人たちが本当に良くしてくれているんです。可愛がってくれた人たちに、喜んでもらって褒めてもらうということが何より嬉しいし楽しいです。

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是永さんの原動力とはなんでしょうか?

 料理教室で出会った人たちとの出会いが今に繋がっていますね。marujuの田中さんとの再会もこの料理教室でした。私以外の皆さんは揃って料理歴の長い方ばかりだったんです。20〜30年近く料理されていたり実際に料理の先生やお店をされている方だったり。私は入ったとき、やっとお米が研げるぐらいだったんですよ。でも周りの人たちに追いつかないと、と思って必死に頑張りました。今でもまだまだですが、その人たちと同じ目線で話せるようになりたいっていう部分が原動力になっているんだと思います。そしてみんな褒め上手なんですよ(笑)。この前も料理教室の人の結婚式で皆さんに会ったけど褒める褒める!!褒めるてくれるし情報もたくさん交換してくれる。とにかく横のつながりを作るのが楽しいっていうのも原動力ですね。料理を作るのが楽しいって思わせてくれたのはあの人たちです。

是永さんにとってこれからの夢や目標はありますか?

 目標というか挑戦したいことはありますね。英語ができる部分を生かして外国に日本食やお弁当の作り方を教えに行けるようになりたいです。旅費がかかるので今すぐではないですが、最近日本食や弁当文化が海外でも注目されているので是非挑戦したいです。それと、最近話題になっている「キッチハイク」っていうの知ってますか?キッチンをハイクして旅をするそうなんですが日本なら東京や大阪、そして世界中でも行われているんです。例えは一般のお宅へ行って料理して一緒にランチを食べるとかですね。豊後高田市も中国や韓国などアジアからの観光客が多いので、そういった人たちと料理を通して交流できたらいいなと思っています。

料理はコミュニケーション手段の1つなんですね!!
では、最後に田中さんから質問を頂いているのでお答えください。
—Q.田中さん:「どうしたらそんなに誰とでも仲良くなれるんですか?」             

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—A.是永さん:「小さい時からお酒屋さんの片隅で行われる角打ちで、近所のおじさんたちとおしゃべりしてきました。そこかな?基本は人見知りなんですよ(笑)。でもそうやって知らない人と話す機会が多かったりアメリカでの大学生活などがコミュニケーションの楽しさを気づかせてくれた部分なんだと思います。」

「昭和の町」を舞台に様々な方と交流を重ね、お酒やお惣菜を通して料理を追求する是永さんでした!!
是永さん、ありがとうございました!!

次のhassh.inは誰でしょう?

 
次回の『hassh.in』は是永さんのお店で扱っている「大分県の里山風景」を題材にした切り絵作品の作者、工家 丘予人(くげ きよと)さんです。

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お酒屋さんのおそうざい 〜コレコレ〜 Kore’s Collezion

住所 〒879-0628
大分県豊後高田市新町907 昭和の町
Tel 0978-24-0705
Fax 0978-24-0705
Mail korenaga-k@khaki.plala.or.jp
OPEN 8:00〜18:30(定休日:水曜日)
Cafetime 13:30〜16:30