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#27「おそとのこと」で人々にやすらぎを。


プロフィール

氏名 川野ルミ(Rumi KAWANO)
職業 株式会社「GENSHU」 代表取締役/ガーデンデザイナー
経歴 大分生まれ大分育ち。
お花が大好きで、海外旅行を経てお庭のあり方を見るようになる。
日本では日本独自のお庭の良さを引き出したいと思い、高校教員をやめてガーデンデザイナーとなる。
2008年:英国王立園芸協会コンテナガーデンマスターを取得
2011年:ガーデンデザイン会社「hana-cafe.maruru」を設立
2012年:ガーデンプロデュース「Original Botanica」を設立
2014年:9月22日〜株式会社 「GENSHU」を設立
2015年:3月5日〜アトリエ&モデルガーデン「Original Botanica」をオープン

川野さんはじめまして!本日はよろしくお願いします。
早速ですが、川野さんの「hassh.in」について教えていただけますか?

私のガーデンデザイナーという仕事は造園工事と外構工事をコレボレーションさせたものです。普通だとお庭だけを作るのが造園屋さん、新築の外構工事をするのが外構工事屋さんという形で分かれるんです。ですがガーデンデザイナーはお庭だけではなくトータルで建物以外の土地を全てプロデュース、デザインする立場を指します。私にとってお庭とは花や木を植える場所というだけでなく、アプローチ、駐車場、フェンス、テラス、そして家の外周までも含まれているんです。だから造園屋でも外構工事屋でもなくガーデニングでもない。それら全てをトータルで考える、新しい「庭」=「おそとのこと」と考えています。自分では「隙間産業」って言ってますね。

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この「アトリエ&モデルガーデン『Original Botanica』」が完成したのは今年の3月なんです。ここにくれば“全部揃って帰ってすぐにガーデニングができる”っていうのがコンセプトなんですよ。だからうちにはスコップから土から餌(腐葉土)からジョウロからホースまで全部置いてる、そういうお店になりました。みんなにお庭を楽しんでほしいです。お花を育てたいと思ってもホームセンターに行って何を買ったらいいか分からない人が多いんですよ。それでピックアップしたものを集める空間がいると思ったんです。あとは実験ですね、この植物がどのぐらい強くて大分でも育つのかとか。それをみんなに伝えたいんです。だからモデルガーデン=実験場ですね。

かなり幅広い職種なんですね!!
独立される前はどのようなことをしていたのでしょうか?

工務店で専属のガーデンデザイナーをしてたんです。新築の外構工事一式を全部書いてたんですが専属となると建物の形が限られてくる。それでもっと多くの人が作った建物の外構工事をしたくて独立したんです。三年前に独立してガーデンデザイン、ガーデンプロデュースって形で会社の肩書きが変わったのは出来ることが広がっていったからですね。

「株式会社GENSHU」や「Original Botanica」とありますが、名前の由来はなんですか?

これはどちらも「原種」という言葉からきています。「ボタニカル」が植物という意味なんですが「ボタニカ」でとめたんです。素敵でしょ(笑)「原種の植物」って意味ですね。やっぱり華々しいのもいいんだけど原種が一番なんです。そのものが最初に発祥したものが一番可愛い。園芸種もたくさんあるけど、原種が一番理にかなってるんです。それで「根本を忘れずにいようね」という意味で名づけました。突き詰めてくると最終的に和に戻るんですよ。結局みんな洋風も好きだけど、木々の中にいたほうが気持ちが良いということは限りなく共通してる。それで由布院の旅館に行って、「気持ちいいよね」って思うということはやはり和の中で木々に囲まれたいって気持ちがあるから。基本はもっと生活にグリーンを取り入れてほしいんです。それで生活を楽しんで欲しいってことですね。

「根本を大事に」ということは多くのことに通じてきますね、勉強になります。
ガーデンデザイナーになるきっかけは何だったのでしょうか?

もともと私は高校の教員だったんです。家庭科の先生。その時に暇さえあれば海外旅行でヨーロッパに行っていたんだけど、そこで日本のおかしさに気づいたんです。なんていうかみんな一緒に見えるでしょ。外構工事にしてもフェンスや門柱の感じとか。ヨーロッパのお庭を真似したいと思っても出来るものじゃないんです。日本の良さってものがあるんだから。だから海外旅行をして時々京都に行って、ほんものの日本のお庭を見ることで、何か今に出来るものはないかなって思ったんですよ。それともう一つはお花がすごく好きだったんです。教員の時からアパートのベランダでとにかく寄せ植えをしていたから、空いてる花壇を植えて歩く人になりたいと思ったんです。だけどあの花壇が意味がないんだって気づいて、トータルでプロデュースしたいと考えるようになりました。
お花好きから始まって海外旅行で見たものから、もっと日本の良さを引き出そうと思った。その三つですね。

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ガーデンデザイナーをされるうえで楽しいことや、原動力ってありますか?

とにかく出来上がってお客さんが喜んでくれてる時が本当に嬉しい。それまではとにかく苦しいんです。デザインを書いている時も苦しいし、作ってる時も「どうなるやろう」って苦しくなる。けど出来上がった時に自画自賛するんです、「いいわあ!!」って。それでお客さんから「イメージ以上になった」って言ってもらえた時がやっぱり嬉しいかな。それが原動力につながるんですね。
一番楽しいのはお花が咲いた時です。お花が咲いてそれを見てる時や成長を感じるときがすごい楽しい。「こいつ枯れるかと思ったら枯れてない!!」とか「こいつ花咲かせてるし!!」とか(笑)
あとは同業のプロから認めてもらえるときもすごく嬉しいですね。同業者からも異種なイメージを持たれてるけど、向こうから良い意味で「これは僕だったら考えんな」とか言われるとすごい嬉しい。

川野さんにとってのこれからの夢はありますか?

みんなにお庭の良さを分かってもらいたいですね。緑と暮らす楽しさを分かってもらう仕事になりたいです。日本人はもっと日本人の心に戻ってきてほしいんですよ。「葉っぱが落ちるから」って毛嫌いしないでほしい、葉っぱは落ちます(笑)緑の力って本当に強いんです。カフェだって木々があると落ち着くでしょ?だからもっと生活に緑を取り入れてほしい。日本人として持ってる感覚を大事にしてほしいです。

川野さんに、実は前回取材させて頂いた髙橋さんから質問を預かっていますので、お答えください!

—Q.髙橋さん:「ガーデンデザインの一番好きな所は何ですか?
または一番気にしている所は何ですか?」      

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—A.川野さん:「楽しいのはその空間を生み出した時ですね。その生み出すことを常に考えてるから日々楽しいです。
気にしているところはトータルでバランスですね。家のデザインから懸け離れたことはしたくないからやっぱり家とのバランスが大事です。庭に関しては居心地感を重視してます。」


緑の大切さが川野さんのお話やお庭の居心地の良さから伝わってきました!!
川野さん、ありがとうございました!!

次のhassh.inは誰でしょう?

 
次回の『hassh.in』は川野さんがホンモノのお菓子作りを習いたい!と思って通い始めた教室の先生。小さなお菓子やさん maruju(マルジュ)の田中美智代さんです。

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株式会社「GENSHU」/アトリエ&モデルガーデン「Original Botanica」

住所 〒874-0849
大分県別府市大字鶴見1951番地の3(扇山5組2)
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Fax 0977-75-8084
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