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#10 美味しさをそのまま伝えたい。


プロフィール

氏名 小野寺 聡(Satoshi Onodera)
職業 くだものかふぇ 創業者
北海道旭川市出身、東京育ち。
社会人時代に大日本印刷で社会経験を積んだのち、複数の事業を立ち上げ、経営の楽しさと難しさを経験。奥様の地元の大分県宇佐市に辿り着く。
2003年4月に奥様と一緒にフレッシュジュースの専門店『くだものかふぇ』を創業。
現在では九州内に店舗を構え、人気店舗へと成長。農家さんが作った美味しい果物を、美味しいジュースで発信する事にアツく取り組まれている。

小野寺さん、はじめまして!本日はよろしくお願いします。
早速ですが、小野寺さんの「hassh.in」を教えてください。

『くだものかふぇ』というお店を経営しています。
バナナやグレープフルーツなどの定番輸入フルーツのジュースに加えて、地元で果物を作っている生産者さんの『顔』が見える商品を提供する事をモットーに、美味しい果物を安心して飲んで頂ける商品をお客様にご提供しています。

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この『ジュースバー』という業界は非常に狭いジャンルなんですよね。
そんな中、お客様に選んでもらえて、今では狭い業界ですけど九州内では『ジュースバー』でトップシェアとのことで、年間約170万人の方々にご利用頂いています。
本当に非常にありがたい事です。

僕自身、以前まで別府に住んでいたのですが、別府のゆめタウンにも『くだものかふぇ』さん入っていますよね?よく利用させて頂いてます!なかでもマンゴージュース系が凄く好きです!(笑)

本当ですか?ありがとうございます。
そのマンゴージュースですが、少し前に大分県限定で大分県産『秋冬マンゴー』を使ったこだわりのマンゴージュースをお出ししてました。特許取得の素晴らしい生産ノウハウをお持ちの生産者さんなんですよ。

『くだものかふぇ』で飲めるフレッシュジュースは、出来るだけ味をコントロールする事をせずに、素材そのままの美味しさを楽しんでもらえるようにして、一番美味しい時期の果物を使用するように心がけています。

今の『くだものかふぇ』を始められる以前は、どんなお仕事をされてたんですか?

『くだものかふぇ』を始める前は、いろんな仕事をしてきました。

実は私、北海道旭川市出身で、育ちは東京だったんです。父が農水省の役人だったこともあって、転勤が多かったですね。
大分に来る前は、26歳の時まで東京で高校生向けの塾と教材販売の会社を経営していました。ただ、2年くらいしか続けられなかったんです。
要するに会社をつぶしてしまった訳です。
当時、奥さんと一緒に東京に住んでいたのですが、奥さんの実家に逃げる様にして東京を後にしました。その奥さんの生まれ育った所が大分県宇佐市だったんです。

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それで大分にいらっしゃったんですね!
そこから『くだものかふぇ』を始めるキッカケってなんだったんですか?

当時の私は、都会とは違って田舎な大分の風景を見て、「ここには何もないなぁ。」と感じて、そんな言葉を奥さんにも漏らしていたんです。

その時に奥さんが凄くいいことを言ってくれたんです。
「いっぱいあるじゃない。山もあるし、おいしい水もあるし、きれいな海でしょ。都会に無いものがたくさんある。そういう意味では都会の方がなにも無いよ。センスないね(笑)」って。

その言葉を聞いて「この人と一緒なら」と、もう一度立ち上がろうと決心できたんです。

−−シンプルな物を追求した結果『フレッシュジュース』を思いついたんです。

私の経営の経験とカフェにたずさわった経験と、奥さんの調理や食に非常に詳しい知識で、これから一緒に大分という土地で何が出来るか考えたんです。
元々、料理が好きな二人だったので料理人という道も考えましたが、料理の業界がそんな簡単な事ではない事は知っていましたし、20台後半から一人前を目指すのにはかなりの勇気が必要です。

コーヒーショップはどうだろうか?とも考えました。
コーヒーも非常に奥が深く、料理人と変わらない難しさのある業界と知っていましたので、非常に迷いました。
でも、もっとシンプルにお客様に提供できるものはないか?と考えました。
小さい農家さんが多いけど、美味しい農作物を作る方が多い大分で、シンプルな物を追求した結果『フレッシュジュース』を思いついたんです。

当時この価格でジュースだけを提供するお店など全国的にも少なかったし、シンプルだけども、こだわりを活かす事で夫婦二人でやっていけるんじゃないか?と思ったのがキッカケです。

そんな逆境の状態から二人で考えたスタートだったんですね。とても想像できませんでした。今、取り組んでいて、楽しい事はありますか?

2つあります。
1つは、生産者さんに会いに行く事です。
実は『くだものかふぇ』では、社内スタッフも一緒に農作業を手伝いに行くんですよ。

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そうすることにより、自分が育てるのに関わった果物達を大事にしてくれるようになったんです。
例えばスタッフが勤務中に誤って、いちごを一つ落としてしまった時に、それ自体商品としてお客様に提供することは出来ないんですが、「もったいない事をしてしまった。申し訳ない。」とスタッフが言うんですよ。
食材を大事に扱ってくれますし、お客様にも美味しさを提供したいから丁寧に作ってくれます。
社員やスタッフを連れて、農作業を手伝いに行くのって時間もコストもかかるんですが、それ以上に社員やスタッフ自身の経験や教育にすごく繋がっています。
しかも私自身、従業員の皆と農作業するの楽しいんですよね!
これからも続けていきたいと思っています。

それと2つ目は、社員やスタッフとのコミュニケーションですね。
これは私も勉強させてもらっていて、どんな小さなことも教えてもらいます。商品のことでスタッフからの小さな一言をひろって商品にしてみたこともあるんですよ。
その商品を飲んで「美味しい!」と言ってくれるお客様を横目に「うちの女子大生のスタッフが考えた商品なんですよ。」と、心の中で得意気になったこともあります。(笑)

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社員さんと生産者さんの所に作業を手伝いに行くんですね!そんな体験出来ない方も多いでしょうから、貴重な経験になるでしょうね。得意気になる所はわかる気がしますね!そんな小野寺さんの目標や夢はありますか?

まずは今のお店を継続していくことです。今の『くだものかふぇ』は多くの方に支えられています。生産者さんはもちろん、社員やスタッフ、いつもお世話になっている方々は数えきれません。

短期間だけ売りさばくのでは、生産者さん側から見れば生産計画が立てにくいんです。安心して生産することが難しいですよね。だからこそ継続していかないといけないと思っています。
それから私達は生産者さんのスゴいところを発信していきたいと思っています。

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一例ですけど、現在宇佐市で農産物を紹介する青年農業実業家チームのドリームファーマーズさんとコラボレーションで、無添加干しぶどうの販売をしています。
私たち自身が美味しさに惚れてもっとたくさんの人に食べてもらいたいと思い、店舗と数量限定し置かせてもらっています。
非常に美味しいですし、そのドリームファーマーズさんの取り組みは農林水産大臣賞を受賞してるんです。
作ってる物も、取り組みも素晴らしいんですよ。
そんな素晴らしい生産者さんっていっぱいいらっしゃるんですよね。
なので私は生産者さんがスターになってもらう、お手伝いをして「この人がこんな美味しい果物・野菜を作ってるんです!」と、熱い思いを込めて、美味しいフレッシュジュースを販売しています。
まだまだ力不足だけど、生産者さんに感謝していただける様になりたいといつも思っています。

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「生産者さんをスターに!」いいですね!美味しい物を一生懸命作ってくれている方々に、もっともっと注目してもらいたいですね!
最後に、小野寺さんの原動力を教えて頂いてもよろしいですか?

やっぱりお客様の笑顔ですね。
一つ印象に残ってる出来事があります。ある店舗で見かけた光景なんですけど、無添加ジュースという事で安心していただいたのか、おそらく初めてご来店されたと思われるおじいちゃんがお孫さんを連れて来店してくれたんです。

お孫さんにだけジュースをご購入いただき、お孫さんが美味しそうに笑顔でジュースを飲んでくれていたんです。
それを見ているおじいちゃんは一口も飲んでいないのに、お孫さんを嬉しそうな顔で見てたんです。見ているだけで幸せになれる場所を提供できたことが嬉しくて。

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何気ない事かもしれないんですが、そういったお客様の姿を見て凄く嬉しいですし、やりがいをもらえます。

それと、もう一つ原動力になる物があります。
目標の所でもお話した、美味しい物を作ってくれる生産者さんが一生懸命頑張ってくれる事ですね。
「少しでもいい物を提供したい!」という思いが伝わってきますし、私も協力したいですし、一緒にいっぱい広めて行きたいと考えています。

会社としての売り上げ、利益はもちろん大事ですが、それだけではなくて私たちに関わる生産者さんがスターになれたら、本当に最高だと思います。

その2つが、私の原動力になっています。

小野寺さん、お待たせしました!前回のインタビューさせて頂いた木原さんから、質問がありますので、お答えください!

—Q.木原さん:「可愛い店員さんが多いですが、『くだものかふぇ』のスタッフに採用基準はありますか?」

A.小野寺さん:私の独断ではないですよ〜?(笑)大事にしているのは、店長や社員さんとのフィーリングですね。女性が多いイメージですが男性スタッフもいるんですよ。

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A.小野寺さん:実は『くだものかふぇ』のアルバイトさんの時給は、他の同業種に比べて、それほど高くはありません。
なので、お金で仕事を選んでいただくのではなく、「時給の高い、安いに関係なく、お店が好きだからここで働きたい。」という気持ちのある方が多いように感じます。
みなさんやる気があって、いきいきと働いてくれています。
その代わり、面接の電話は少ないんですけど。(笑)
その分、初期研修や定期的な食事会などに力を入れています。

今年の4月4日で11周年になる「くだものかふぇ」を中心になって支え続け、従業員さんや生産者さんを家族のように想っており、様々な方と楽しそうにお仕事をしているイメージのおしゃれな小野寺さんでした!

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次のhassh.inは誰でしょう?

次回の「hassh.in」は、小野寺さんが「食に関して」の教えをいつも頂いているという、小野寺さんの食のお師匠様、神谷さんです!

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くだものかふぇチェーン本部 有限会社ライフ

住所 〒872-0102
大分県宇佐市大字南宇佐2167-6
くだものかふぇ本店営業部
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